2020年を振り返って
今年は何と言っても、新型コロナウイルスが猛威を振るったことに尽きるのではないでしょうか?
私個人の感想ですが、目に見えないウイルスによって当たり前だと思っていた暮らしをもう一度見つめなおしなさい、という、浮かれすぎていた人類への神様からの警告だったように思えて仕方ありません。
今日はそんな1年を写真教室主宰者として、また、写真家として、振り返ってみたいと思います。
まずは写真教室主宰者としてこの1年を振り返ったとき、印象的だった3つのことをお話したいと思います。
一つ目は、今まで以上に
「写真を真剣に学びたい」
という方が増えたこと。
想像するに、コロナウイルスの影響で、いつかやりたかったことが出来なくなるかもしれない、それなら今始めなければ!と、自粛期間中に考えた方が多かったのではないでしょうか?
10月からお越しの受講生の方に来られたきっかけを質問してみたところ、人生の節目を経験されたことと、コロナウイルスがきっかけになり、押し入れの奥に仕舞ってあったカメラを取り出し、ご自身と向き合うために写真を始めてみよう、と思われた方がいらっしゃいました。
二つ目は、教室生初の個展を開催された80歳の赤平さんのこと。
レッスン中にぽろっとお話された「いつか個展でたくさんの人に写真を見てもらいたい」という一言が私のアンテナに響き、すぐに準備が始まりました。
準備期間は約4カ月ほど、11月に横浜・大貫カメラギャラリーで「赤平節子写真展 風をおいかけて」を開催することになりました。
その後、せっかくならカメラメーカーの公募写真展に応募してみませんか?とお話したところ、
ご快諾をいただき無事に審査通過。
審査員の方たちからは、写真から温かいご家族の様子が垣間見え、とても楽しい写真だ、と絶賛していただきました。
三つ目は、五島列島撮影ツアーに行ったこと。
当初は昨年に引き続き、南フランス撮影ツアーを開催する予定でしたが、海外渡航が難しくなり、急遽、五島列島に変更しました。
すると、多くの方から「いつか行ってみたかった!」
というご感想をいただき、こちらもとんとん拍子に企画が進みました。
また、五島列島伝道師の方からのアドバイスもあり、ツアーによくあるルートではない、特別なルートを企画していただき、現地の人や五島列島へ行ったことのある方からも、珍しいルートだ、と感想をいただいたスペシャルな旅行になりました。
その撮影旅行は、ただ綺麗だから、映える場所だから、という表面的な撮影旅行ではない、
目に見えないけれど脈々と続く重い深い歴史、そして受け継がれる純粋で芯の通った現地の方たちの気持ちを感じた旅になりました。参加されたみなさんの写真からも、その様子がよく伝わってきたことが、何より印象的です。
さて、写真家として振り返ってみると、
3月に横浜大貫カメラで、6月にはリコーイメージングスクエア大阪で、7月にはリコーイメージングスクエア東京で、再度個展を開催することができたことが一番印象に残ったことでした。
このような事態の中でも、1年に3回も個展ができたことは本当に幸せなことです。
コロナウイルスの影響でご来場者数も思ったほど伸びなかったのですが、かえってお一人お一人とじっくり向き合ってお話ができたこと、そして写真関係の方からはたくさんの貴重なアドバイスをいただけたのが印象に残りました。
写真の表現について、そしてプリントについて、BGMについてなど、自分では気づかなかったアドバイスは本当に有難いです。こういったアドバイスが自分の成長の糧になりますので、来年の秋に開催する個展に生かしたいと思っています。
また、今年は個展の際に大変お世話になった写真業界の方々が定年や転職をされて、とても寂しく心細く感じた年でもありました。ただ、今でも個人的に相談に乗っていただいたり、電話をくださり励ましてくださったことが大変嬉しいことでした。
写真教室、そして写真家活動をして9年目の今、こうして恵まれた環境で活動できることに感謝しています。写真関係の知り合いが全く皆無だったころに救いの手を伸ばしてくださった方々ですので、これからもご縁を大切にしていきたい、と思っています。
私にとって2020年は、真実が見えた年、そして写真尽くしの年、になりました。
また2021年も写真を通して人生を豊かにしていきたい、豊かにできるようなお手伝いをしていきたい、と思っています。